ひきこもり支援から100日目

 
高学年のお子さん。
 
押し入れに閉じこもって、話さなくなったお子さん。
 
お子さんとは会えないので、お母さんの支援を始めた。
 
お母さんも、
 
少しだけ駆け引きできる気持ちの時、
 
やっぱりありのままをそのままにしておくことしか無理じゃないかと思われる日、
 
山あり谷ありだった。
 
 
小さな出来事に一喜一憂しながら、
 
やはり前に進み出す努力をされ始めた。
 
 
その子は、
 
家庭内での小さな小さな歩を進めつつ、
 
100日目にスクールに足を運ぶことができた。
 
 
その初回のスクールの日は、
 
誰とも目を合わせず、
 
すぐ帰る、二度と来ない、と怖い顔をして、
 
紙コップやプリントをぐしゃぐしゃにし、
 
帰っていった。
 
 
2回目に誘うのは至難の技なんだけど、
 
そこもなんとか出かけてきてくれた。
 
 
お母さんが大きな決心でもって押し出して下さった。
 
 
嫌や、行きたくないと言いながら、
 
結局のところ
 
カマドの薪をくべたり、
 
竹で弓矢の矢を黙々と作ったり、
 
スタッフとお喋りしたりして、
 
そこそこ笑顔でバイバイと帰っていった。
 
 
※ここまできたら、少しホッとします、我々も。2回目に来れるかどうかは、大きな壁だから。
 
 
 
3回目は、
 
切れた弓の糸を張ろうよ、と布石をうっていたので、
 
弓矢を作ったり、実際に使ってみたり、
 
静かながら楽しく過ごした。
 
 
 
4回目も約束した。
 
 
スクールに2回目に来たあたりから、お家でのお子さんの様子が大きく変化し始めた。
 
 
明らかにご家族との交流や
 
外に出たいという気持ちや
 
折り合いをつける様子が
 
みられ始めている。
 
 
マイペースながら丁寧に生活をし始めている。
 
1日は24時間で、一年は365日だ。
 
何もしなければ、何も起こらないまま日は過ぎる。
 
ここぞというタイミングを見計らいながらしっかり手を差し伸べたからこそ、お母さんは悩み迷い一喜一憂する。
 
そりゃ大変だけどうねりは起こる。
 
押し出すにはパワーがいる。
 
本人にも、ご家族にも。
 
でも、もがき苦しみながらも、
 
「ママ、思い切って押し出してくれてありがとう」
 
 
その子はそう言っている、心の中で。
 
私たちのフリースクールに来ているお子さんは、
 
来始めるのさえ困難なケースがほとんどである。
 
 
個々いろんなスタートはあるが、
 
みんな結構なパワーを使いながら、
 
来ることに慣れ、
 
来ることを楽しみにするようになり、
 
社会に羽ばたくための力をつけるべく、
 
毎日いろんな遊びや活動をしている団体だ。
 
 
 
ひきこもり支援、巷にいろいろ方法論はあるけれど、基本本人のタイミング待ち論が多い。
 
でも我々は、良きタイミングで押し出して欲しいと、きっとご本人は思ってらっしゃるのだと
 
実際に見てそう実感している。
 
応用行動分析学が活きる場面だと実感している。