そこに、やりたい気持ちがないとね

底上げはだいたい10歳まで。
基礎的な土台を作るには、だいたいこの年齢までに介入しておきたい、そんな年齢。

それ以降の年齢になると、今ある能力をいかに組み合わせて、いかに工夫してやり繰りしていくように仕向けるか、になると思う。

それでもどんな年齢の子供でも(もちろん大人でも)「それがやりたいかどうか」つまり気持ちが動くかどうかが一番需要な点かなと思う。

■ケース1
中2。
一年前、かなり大変な状況でちとせにやってきた子。
手芸は提供するとやりたそうだったが、実現したい理想は高すぎ、その割に糸を通すことさえ、イライラしてままならず荒れてしまう→できない
〜〜〜
一年後の昨日の個人セッションで、セラピストから「やってみる?」と提案したこの小さなお人形のポシェット作りを、
「わー可愛いかも?やってみたい!!」

もちろんセラピストも向かい合って同じものを作っています。二人共黙々と。

彼女は不器用です。でも、いきなり器用にはならないし、だからといって何もしないわけにはいかない。その現実と向き合うことがなかなかできないでもがきながら一年間過ごしました。

昨日は、いつもの構ってかまってアピールもなく、
楽しく自分なりに考えて仕上げていくその子。
自分なりの成功を素直に喜べている様子。
仕上がったことへの満足感。
現実と理想との折り合い、だんだんついていきそうかなと感じました。

■ケース2
小5
知的、身体的ハンデもあり、指の分化がしっかりとはできない。
やり切ることができなかったこれまでの経験から、やってみたけど無理やったわ、が積み上がってきた子。

一年間の付き合いの中で、認知、身体的、なことを急に伸ばすことはできないけど、
きちんと最後まで出来ることを増やさないと、と彼の困り感を痛切に感じながら取り組んできました。
一年かけて蝶々結びやお弁当箱結びもマスターし、とうとう調理のときには三角巾も自力でつけられるように(^^)v

彼が旅行に行ったお話をするも、何人で行ったか結局わからないまま流れたとき、
指折り数えて数を数える、ということを練習し始めました。
最初は言葉と指が連動せず、おかしなことになっていたけれど、「数えたいものをきっちり数える」ことは、彼のやりたいことだったし、伝えたい共感して欲しいことだったので、とうとう言葉と指が連動してきました!

彼の話の中から、数えたいものを拾い、
それを書き出しては、数えることを何回やったでしょうか。
しかし、指折り数えて、親指が見えないとカウントに含められないことが発覚。まだまだこれからです。

■ケース3
中3
(スーパーバイズしながら育成中のセラピストが担当。)
これを個人セッションで作りたいと相談を受けたとき、まず聞いたのが
「それ彼女が、やりたいって心から思うかな?」
「一時間でやり切れる?」
「どんな工程踏んだらできると思う?」
「どこでひっかかると思う?」

ある程度の支援をして、実際に実施してもらいました。
結果を聞くと
「たかまみーが言うてはった意味がやっとわかりました^_^;」
・そもそも、もう一回やりたいとは本人が思わなかったので、やらされ感でやる。
・セラピストができるだろうと踏んでたことが、実際にはできなかった。
・工程が多すぎて、見通しが持てなかった。
・本人の、教えてもらって当たり前が最後まで抜けなかった。

■最後に
セラピストにとっても、本人にとっても、何もかもマイナスではなく、そこから得たものが次に活かせれば良いんだし。
100 点満点なんてない世界。
今、新人セラピスト二人に期待して育成中である。春からはもう少しケースを負担してもらおうと思っています。

それぞれの課題とそれぞれの乗り越え方。
そこには本人のやりたい気持ちがないとね。
大人も子どもも。
※新人セラピスト達は、やる気満々ですので、ご安心を?

スーパーバイザー

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